2016年4月7日に東京外国語大学で行われた、前ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏来日公演会での話で「幸福」について話していますので、それを紹介します。
「本当に全世界が幸せになるのは可能だと思いますか?」
という質問に対するムヒカ氏の回答のエッセンスです。
ムヒカ氏
たしかに私たちは神ではありません。でも、それぞれが自分の考え方に基づいた生き方をする。
そうすればあなたは幸せになるし、あなたと一緒に生きる人も幸せになるでしょう。
私は最後の審判は信じていませんが、人生の何らかの時点で、おそらく我々はある鏡の前に立ち止まる時が来るでしょう。
そして、私は私たち自身に言います。「私たちは自分たちの人生を生きてきた」と。
どこかで私たちは自分の人生の総括をすることになると思います。たとえば
- 何かをやろうとしたけど失敗してしまった
- 何度も失敗したけれど、やろうとした
- 100やりたかったけれども、5ができた
- もちろん完璧ではなかったけれど、有益な人生だった
- 私は私の人生のなかで何もしなかった
- 単純に私は浪費をした、消費をした
- 誰に対しても手を差しのべることはなかった
- ほかの人のことなんて、一度も心配したことはなかった
- 決して、誰かのために時間を費やすことはなかった
自分自身を鏡で見た時に映るものは自分のエゴイズムになってしまいます。
その時にあなたは自分自身に対して失望するでしょう。
世界を変えるためや何かに勝つために行動するのではないのです。
そうではなくて、自分自身の心の中にあるもののために考えて行動するのです。
生まれたから生きるというのであれば、それは馬のようでもあるし、犬のようでもあるし、機械のように生きることと同じことかもしれません。
私たちには頭があり心があるのです。
ある程度までではあるけれど、私たちは自分自身の人生を方向づけることができます。
- もし音楽が好きならば、そこに自由を探してください。
- もし絵が好きなのであれば、そこに自由を見出してください。
- 私のように農業が好きな場合には、農業を営むことができるでしょう。
それは単純にお金を稼ぐためだけではありません。
何かあなた自身を幸せにするものを探してください。
他の人を幸せにすることを考えてください。
これは世界を変えるということではなくて、自分自身を変えるということになのです。
例えば、私は世界を変えたかった。でも、現在、私は家のなかの掃除をしている。
世界を変革するのは、かなり複雑で難しいものなのです。
でも、長期的には何かが残るでしょう。
大きな闘争、大きな敗北のあとで。そして、その闘争のあとで、世界は違うものになっているでしょう。前とまったく同じということはないでしょう。
僕は、世界のみんなが少しでも、何か自分が幸せになるものを探して、自分らしい人生を送り、他の人を幸せにすることで大きく変わるんじゃないかと思んです。
だから、ポジティブチェンジなんだと思うのです。
建前から本音、クローズからオープン、取り込むから手放す、統一からネットワーク、人間から自然、損得からワクワク、単一から多様というように時代と環境は大きく変わっています。このブログは、多くの方がもっと自分の価値に気づいて変わるためのヒントや学びについてポジティブ心理学とポジティブチェンジなどを交えて紹介しています。(代表:寺澤慎祐)